ビジュアル・ニュース解説

業界、M&A、新製品…ビールの最新事情を知る!

2012.8.6 掲載
少子高齢化の影響で国内市場が縮小する中、ビール各社は海外事業の拡大を目指しており、現地企業のM&A(合併・買収)が活発化しています。一方、国内では泡を凍らせたビールやアルコール分を全く含まない「ノンアルコールビール」を投入するなど、新機軸を打ち出し、需要喚起に躍起になっています。今回は、ビールの基礎知識、「第3のビール」などのビール系飲料の普及の経緯、ノンアルコールビール市場が急拡大している背景、最新の業界動向などについて解説します。

主に麦芽とホップを用いて作られる醸造酒

主に麦芽とホップを用いて作られる醸造酒
 独特の苦みと炭酸ガスによる泡立ちを特徴とするビールは、大麦とハーブの一種であるホップを主原料とする醸造酒です。大麦の麦芽(麦の種子を発芽させたもの)を粉末にして水と合わせて適温でしばらく置くと、麦芽に含まれる酵素の働きによりでんぷん質が糖分に変わり、糖化液の状態になります。この液にホップを加えて煮沸し、冷やした後に酵母菌を加えてアルコール発酵(酵母菌などの働きで糖類がアルコールと炭酸ガスに分解される反応)させて作られます。
 一口に「ビール」といっても、世界中には実にさまざまな特徴を持つビールがあります。タイプとしては、発酵タンクの上部で発酵する「エール」、発酵タンクの下部で発酵する「ラガー」「ピルスナー」に大きく分けられます。世界で最も普及しているのは、ホップの苦みが特徴のピルスナーで、日本でもこのタイプが主流となっています。
2012年8月6日掲載