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「地熱発電」の現状と課題について知る!

2012.7.16 掲載
天候に左右されず安定的に発電できる再生可能エネルギーとして注目される地熱発電。火山国である日本は、これまで豊富な地熱資源がありながら導入が進んでいませんでした。しかし、電力不足を背景に開発規制が緩和され、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が始まったことで開発計画が相次いでいます。今回は地熱発電のしくみ、関連企業の動向、今後の課題などについて解説します。

地中のマグマ熱を利用して発電

地中のマグマ熱を利用して発電
 地球内部には自然に大量の熱が生成され蓄えられていますが、熱源があまりに深部にあるため現在の技術ではエネルギー源として利用できません。ただ、地表から数キロメートルの比較的浅いところにはセ氏1000度前後の「マグマだまり」があり、地下水がこれによって加熱されて高温の蒸気や熱水となってたまることがあります。地熱発電は、井戸を掘ってこうした蒸気や熱水を取り出してタービンを回して発電するというものです。
 地熱エネルギーは極めて膨大で半永久的な供給が期待できるため、これを活用する地熱発電は太陽光や風力発電と同じ再生可能エネルギーに分類されます。なお、地熱資源はその特性上、火山活動のある地域に偏在しており、国内では九州や東北地方、北海道に集中しています。
2012年7月16日掲載