ビジュアル・ニュース解説

「スマートハウス」ってどんなもの?

2012.7.2 掲載
太陽光発電や燃料電池などでつくり出したエネルギーを、IT(情報技術)を活用して効率的に利用する次世代省エネ住宅「スマートハウス」。東日本大震災後の電力不足をきっかけに需要が高まっており、住宅メーカー各社はスマートハウス事業を相次いで強化しています。今回はスマートハウスとは何か、関連企業の動向、今後の課題などについて解説します。

ITを使って電力消費を最適化(1)

ITを使って電力消費を最適化(1)
 「スマートハウス」という言葉に明確な定義はありませんが、一般に発電設備を備え、生活に必要なエネルギーをできるだけ住まいの中で自給自足し、無駄なく使うしくみを取り入れた次世代型の省エネ住宅を指します。
 スマートハウスの基本的な構成要素は、①太陽光発電システムや燃料電池(水素と酸素の化学反応により電気をつくる発電システム)といった電気を自前でつくりだす発電設備、②余剰電力や電力需要が少ない夜間に電気を貯めて利用する蓄電池、③これらをさまざまな家電製品と有線・無線のネットワークでつないで一元管理する家庭内エネルギー管理システム、の3つです。
 このうち中核的な役割を果たすのが③で、「HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム=略称へムス)」と呼ばれます。太陽光発電システムや自家発電システムなどを取り入れた住宅はこれまでもありましたが、スマートハウスが従来の省エネ住宅と違って「スマート=賢い」の名で呼ばれるのは、HEMSにより家全体でエネルギーを効率的に管理するしくみがあるためです。HEMSにより、家の中でエネルギーが、いつ、どこで、何にどれだけ使用されているかがモニターなどに表示され、エネルギーの使用量や家庭での発電量、蓄電池の電池残量をリアルタイムに把握できます。家中の家電を一括してコントロールしたり、どのエネルギーを利用するのが効率的かなどを自動的に判断してくれます。
2012年7月2日掲載