スマートハウスの考え方を地域社会全体に拡げていく「スマートコミュニティー」にも注目が集まっています。ITを利用して家庭や工場、交通網などで使うエネルギー効率を高め、省資源化を徹底する環境配慮型の地域社会のことで、スマートシティ、スマートタウンとも呼ばれます。太陽光や風力を大規模に活用した再生可能型の発電システム、電力の需要・供給を調整して送電効率を高める「スマートグリッド(次世代送電網)」、渋滞回避のための交通管理システム、ごみ処理場の廃熱を利用した空調システムなど、さまざまな技術を活用して環境負荷の少ない街づくりを目指します。
各家庭が単独で省エネに取り組むよりも、より総合的に省エネ効果を高めることが可能で、地域全体の利便性の向上も図れます。すでに世界各地で整備計画や実証実験が進んでおり、国内でも東日本大震災の被災地の復興計画案の一つとして浮上しています。スマートハウスは、スマートコミュニティーを支える重要な要素であり、震災復興と共に普及がさらに加速するかもしれません。