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少子化が加速、政府は歯止めへ「異次元の対策」

2023.3.6 掲載
日本の出生数が急減しており、少子化が加速しています。少子化は人口減少につながり、社会保障や労働、地域社会の担い手不足による国力低下を招きます。これまでも対策が取られてきましたが、少子化に歯止めはかかっていません。この状況に対して国は危機感を強めており、岸田文雄首相は2023年1月、「異次元の少子化対策を実現する」との方針を表明しました。今回は進む少子化とその要因や対策について解説します。

1.22年の出生数、初めて80万人割れの見通し

1.22年の出生数、初めて80万人割れの見通し
 出生数は第1次ベビーブームの1947〜49年に年270万人に迫り、第2次ベビーブームの71~74年には年200万人を超えました。75年に200万人を割り込んで以降は減少傾向が続き、2021年には将来の出生数を左右する結婚が新型コロナウイルス禍で減ったこともあり、過去最少の81万1600人まで減少しました。22年は約77万人と、統計開始後初めて80万人を割り込む見通しです。厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が17年に公表した「将来推計人口」では、年間出生数が80万人を割り込むのは30年としており、想定を上回るペースで少子化が進んでいます。
 若い女性の人口動向が今後、少子化に拍車をかける可能性もあります。22年の25~34歳の女性人口は推計約609万人で今後微減が続きますが、30年代に入ると減少が加速。35年は557万人、40年には528万人となり、子どもを産む年代の女性自体が減ってしまいます。
2023年3月6日掲載