インボイスは消費税率ごとに税額を記載するなど記載項目が多いうえ、発行側と受け取り側の双方が7年間保存しなければなりません。紙の請求書の作成や印刷、封入、発送といった手作業では事務処理や書類管理の負担が増してしまいます。インボイス関連業務を効率化するためにはデジタル化が欠かせません。デジタル庁などは民間と連携しデジタル化を後押しします。デジタル庁は22年10月、デジタルインボイスを送受信するための文書の仕様やネットワークに関する国際規格をベースにして、月末締めなど日本の商習慣に対応した日本版の規格を公開。普及を目指して会計システム開発企業などが設立したデジタルインボイス推進協議会の約20社がこの規格に対応を表明しました。
デジタルインボイスに対応した会計システムを使えば、売り手の事業者は電子メールと同様に取引先にインボイスを送信できます。全国銀行資金決済ネットワークが運用する「全銀EDIシステム」を介して請求業務の自動処理もできるようになる見込みです。買い手の事業者は消費税を納める際、仕入れ税額控除などの業務を自動化できます。会計ソフト各社は23年春ごろからサービスを始める見通しで、政府は会計ソフトの導入などに使える補助金を用意します。