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太陽表面の大規模爆発「太陽フレア」のリスクに備え急ぐ

2022.10.3 掲載
地球に光や熱をもたらす太陽。その表面で大きな爆発「太陽フレア」が起きることがあります。太陽フレアが発生すると、X線などの電磁波や、電気を帯びた高いエネルギーを持つ粒子などが放たれ、全地球測位システム(GPS)や通信、人工衛星、電力網などに障害を及ぼす恐れがあります。太陽フレアは太陽の活動が活発になったときに起きやすく、次は2025年ごろに活発になると予想されています。今回は太陽フレアがどのように発生し、どんな影響があるのかなどについて解説します。

1.X線などの電磁波・高エネルギー粒子・電気を帯びたガスを放出

1.X線などの電磁波・高エネルギー粒子・電気を帯びたガスを放出
 太陽は高温のガスでできており、水素などの原子の核同士がくっつく核融合反応で熱を生み出しています。中心の温度はセ氏約1600万度で、表面には磁石と同様の性質を持つ磁場の力で内部にたまった熱を抑えている「黒点」という黒く見える部分があります。黒点の周りで熱を抑えきれなくなって起きる大きな爆発が太陽フレアです。規模の小さいフレアは頻繁に発生していますが、大規模なものは約11年周期で太陽の活動が活発になる時期に起こりやすくなります。
 太陽フレアが起きると、太陽から一部のガスが放出されます。これに伴い、爆発の8分後に紫外線やX線などの電磁波が、30分~十数時間後に高いエネルギーを持つ粒子が、1~3日後には電気を帯びたガスなどがそれぞれ地球に到達します。
2022年10月3日掲載