ビジュアル・ニュース解説

進む円安、企業や家計の負担増す

2022.8.1 掲載
円安が急速に進んでいます。2022年7月には一時1ドル=139円台に下落し約24年ぶりの円安・ドル高水準をつけました。円安はこれまで日本経済の追い風になるとされてきましたが、資源高に円安が加わって輸入物価が高騰。企業や家計の負担が増して「悪い円安」との見方が広がっています。今回は円相場が決まる仕組みや円安が及ぼす影響、円安が進む背景などについて解説します。

3.日米金利差が縮小に転じて相場の方向感に変化も

3.日米金利差が縮小に転じて相場の方向感に変化も
 22年7月もFRBは0.75%利上げし、日銀は足元の物価上昇は一時的とみて大規模金融緩和を続けているため、円安はまだ続きそうです。ただ、FRBの急激な利上げが先行きの景気後退を招くことへの警戒感が強まり、米長期金利は同年6月下旬から低下に転じ、日米金利差は縮み始めました。日本の貿易赤字計上が続けば、円高要因となる輸出額より円安要因となる輸入額が多い状態が変わらないため円安圧力が続きますが、同年10~12月期以降、相場の方向感が変わるとみる市場参加者もいます。もっとも米長期金利の低下が明確なトレンド転換なのか、一時的なものなのかを市場参加者は見極めきれていません。
2022年8月1日掲載