ビジュアル・ニュース解説

株式相場、グロース株からバリュー株へ移行の兆し

2022.3.21 掲載
世界の株価が2022年に入って不安定な値動きを続けています。直近の要因はロシアのウクライナ侵攻による情勢の悪化で景気の先行き不安が強まったことですが、それ以前から米国の長期金利の上昇を受けたグロース(成長)株からバリュー(割安)株への資金シフトも影響を与えています。今回はグロース株とバリュー株について解説します。

2.値動きが緩やかで低リスクで運用できるバリュー株

2.値動きが緩やかで低リスクで運用できるバリュー株
 これに対し、バリュー株は利益や資産から導かれる企業の価値と比べて株価が割安な銘柄を指します。株価指標として株価が1株当たり純資産の何倍かを示すPBR(株価純資産倍率)を参考にすることが多く、PBRが1倍を下回る銘柄などが該当します。バリュー株投資は「潜在的な企業価値(純資産)が高ければ、いずれ株価が追いつく」と期待します。株価が割安になるのは、投資家がその企業の売り上げや利益の伸びをあまり期待していないことや、企業の知名度が低いことなどが理由です。業種別では小売りや自動車、銀行などが目立ちます。
 バリュー株投資のメリットはグロース株に比べて株価の値動きが緩やかで上昇や下落のブレが総じて小さく、比較的低いリスクで運用できることです。また、安定的に配当や株主優待を出している企業が多く、配当利回りが高い傾向にあります。一方、グロース株のように数年間で株価が数十倍になるような大きなリターンがあまり期待できないことがデメリットです。長期にわたって現状維持が続き、いつまでたっても株価が回復しないこともありえます。
2022年3月21日掲載