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減少続くウインタースポーツ人口、コロナ禍が追い打ち

2022.2.7 掲載
北京冬季五輪が2022年2月に開幕し、スキーやスノーボード、スケートなどウインタースポーツへの関心が高まっています。その一方でウインタースポーツを楽しむ人は減少が続いています。とりわけスキーやスノーボード人口は21年以降、新型コロナウイルス感染拡大で減少に拍車がかかっています。今回はスキーを中心とするウインタースポーツ市場の現状について解説します。

1.スキー・スノーボード人口はピークの4分の1に

1.スキー・スノーボード人口はピークの4分の1に
 ウインタースポーツはスキーやスノーボード、スケートが代表的です。スキーやスノーボードは1980年代後半から90年代にかけて若者を中心にブームが起きて楽しむ人が増加。日本生産性本部の「レジャー白書」によると、スキー・スノーボード人口は93年に1860万人に達しましたが、その後バブル経済が崩壊し、レジャーが多様化したことなどで減少傾向に転換。スキーやスノーボードは遠くまで出かける必要があるうえ、ウエアや道具にかかる費用が高いことから敬遠されるようになりました。とりわけ90年代に人気を集めたスノーボードは両足の動きがとりにくく、リフトに乗る際にはボードを外さなければならないなど面倒なことがあり、若者以外には普及が進みませんでした。
 2000年代以降、スキー・スノーボード人口を下支えしたのがインバウンド(訪日外国人)です。雪質のよさに注目しスキーやスノーボードを楽しむため、オーストラリアや中国などのアジアから北海道のニセコ地区や長野県の白馬地区などを訪れる観光客が増加。18年には96万7000人まで拡大しました。しかし、20年には新型コロナウイルスの感染拡大の水際対策として入国を制限したため訪日客が激減。国内でも新型コロナ対策の緊急事態宣言発令やまん延防止等重点措置の適用による都道府県をまたぐ人の移動の制限や自粛ムードの高まりなどの影響を受け、スキー・スノーボード人口は430万人とピークの約4分の1にまで落ち込みました。
2022年2月7日掲載