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外貨投資、国内の超低金利や円安で関心高まる

2021.11.15 掲載
国内の超低金利と円安基調が続くなか、日本より金利が高い外貨で資産を保有することへの関心が高まっています。ただ円建てと違い、為替相場の変動の影響を考慮する必要があるなど注意点もあります。今回は外貨投資の仕組みやメリット、リスクなどについて解説します。

1.外貨預金は円預金より利息が多く、円安なら為替差益も

1.外貨預金は円預金より利息が多く、円安なら為替差益も
 円を米ドルやユーロなどの外貨に換えて運用する外貨建て金融商品で初心者でも投資を始めやすいのは、外国の通貨で預金する外貨預金です。投資できるのは先進国通貨の米ドルやユーロ、オーストラリアドルのほか、新興国通貨の南アフリカランド、トルコリラなどです。銀行で取り扱っており、円預金と同様に普通預金と定期預金があります。現在、海外には日本より金利が高い国が多いので、円預金よりも多くの利息がつきます。円で引き出すとき、預入時より円安になっていれば為替差益も得られます。例えば米ドルなら1ドル=110円から1ドル=120円になると、円で受け取る金額が増えます。物価が上昇すると円の実質的な価値が目減りしますが、物価上昇は円安につながりやすいため、資産の一部を外貨建てで保有すればこのリスクを抑えられます。
 注意点もあります。外貨預金は預け入れや引き出しの際にそれぞれ為替手数料がかかります。手数料は銀行によって違います。円安になれば為替差益が得られるのとは逆に、預け入れた時から円高が進めば、為替差損が生じて円で受け取る金額が減ってしまいます。原油相場の変動や政情不安などで、預金の通貨の為替相場が大きく円高に振れることは珍しくありません。円預金は銀行が万一破綻しても、預けた1000万円までの元本とその利息は預金保険制度で保護されますが、外貨預金はその対象外です。
2021年11月15日掲載