ビジュアル・ニュース解説

個人投資家に人気の株主優待、コロナ禍響き一転減少

2021.11.1 掲載
株主に自社の商品や金品などを贈る株主優待制度。個人投資家には株主優待を目当てに株式投資をする人も少なくありません。株主優待はこれまで増加傾向でしたが、新型コロナウイルス禍による企業の業績悪化などの影響で一転減少しました。今回は株主優待の概要や減少に転じた背景などについて解説します。

2.優待の権利確定日直前に株を購入すると割高になることも

2.優待の権利確定日直前に株を購入すると割高になることも
 よいことばかりに思える株主優待ですが、優待を目当てに株を買うときには注意しなければならないことがあります。人気の株主優待がある銘柄は権利確定日に向けて1~2カ月前から優待を狙って株を買おうとする投資家が増え、株価が上がるのが一般的です。権利確定日の直前に株を買うと割⾼になることが少なくないため、早めに購入することが必要です。権利確定日を過ぎると逆にその株を売る投資家が増え、株価が下がりやすくなります。株主優待で得をしても、株価の下落で大きな損をすることになりかねません。
 株主優待の内容は急に変わったり、廃止されたりすることがあります。企業が株主優待を廃⽌、縮小するのは業績の悪化や優待のコスト増大などが理由です。株主優待が魅力的であれば、その廃止や縮小時に株価が大きく下落することがあります。
2021年11月1日掲載