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コロナ下でも気軽に楽しめるキャンプ人気

2021.8.2 掲載
新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、密閉、密集、密接の「3密」を避けながら非日常を楽しめるキャンプの人気が高まっています。1人でも、キャンプ場だけでなく自宅のベランダでもできる手軽さが魅力です。今回はコロナ下のレジャーとして注目されるキャンプについて解説します。

1.1人で楽しむソロキャンプや豪華なグランピングが増加

1.1人で楽しむソロキャンプや豪華なグランピングが増加
 キャンプなどのアウトドアはこれまで、1960年代から70年代にかけてと90年代に、いずれも団塊世代を中心にしたブームが起きています。60年代から70年代にかけては、山岳部による本格的登山や社会人の山登りサークル、男女が出会う合ハイ(合同ハイキング)、少年少女のキャンプファイアなどが人気を集めました。90年代には夫婦や家族で日本百名山を巡ったり、キャンピングカーで旅行したりすることが広がりました。近年のキャンプブームはこれまでと違い、主役は高校生から若手社会人にかけての世代です。1人で楽しむ「ソロキャンプ」が人気を集める一方で、充実した施設で豪華なキャンプをする「グランピング」をする人も増えています。
 ソロキャンプは読書や散歩、料理、釣り、星を眺める、ただのんびりするなど、したいことを1人で思う存分できる楽しさがあります。おしゃれな服やキャンプ用品が増えたほか、清潔で利用しやすいキャンプ場が整備されたことが女性の参加を後押ししました。コロナ下でも手軽に非日常を楽しめることも追い風になりました。
 グランピングはテントの設営や食事の用意などの煩わしさがなく、自然の中でホテル並みのサービスを受けられるため、アウトドアに縁がなかった人でもキャンプが楽しめます。若者や新興富裕層は環境問題に関心が高く、自然の中での体験にかっこよさや癒やしなどを感じることも人気の背景にあります。コロナ下で外出を避けるため、さらに気軽な自宅のベランダでのキャンプ「ベランピング」も広がっています。
 このほか、テレワークの一環としてキャンプの要素を取り入れたオフィスも登場しました。キャンプ用品大手のスノーピークは屋外で同僚とテントを設営したり、たき火を囲んで会議を開いたりできるキャンプ場やホテルの庭園などを会議や研修施設として貸し出しています。
2021年8月2日掲載