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増える墓じまい、納骨堂や樹木葬など永代供養広がる

2021.7.19 掲載
核家族化などを背景に、代々受け継いできたお墓を整理する「墓じまい」が増えています。お墓を継げる人が減っているうえ、遠方の墓参りの負担も大きいため、納骨堂や樹木葬などの永代供養が広がっています。今回はお墓の最新事情について解説します。

1.改葬の件数が12万件を超えて過去最多に

1.改葬の件数が12万件を超えて過去最多に
 墓じまいや墓を移して遺骨を別の供養先に移すことを「改葬」と言います。厚生労働省の調査によると、改葬の件数は近年増え続けており2019 年度は12 万件を超えて過去最多となりました。墓じまいの理由としては「継ぐ人がいない」「お墓が遠い」「残して家族に迷惑をかけたくない」などが挙げられます。お墓は親から子へと受け継がれてきましたが、核家族化が進んで子供がいない夫婦や生涯未婚の人が増加。子供がいても男性、特に長男が先祖の墓を守る慣習があるため、男の子供がおらず娘が嫁いでしまって、お墓の継承者がいなくなることも増えています。
 都市部への人口集中が進んで子供が地方から移り住むことが多くなり、実家近くにあるお墓は墓参りなどの負担が重くなっています。子供に供養やお墓を継ぐ面倒をかけることを避けるために、親が進んで墓じまいをすることもあります。
 お墓を維持するには年間管理料や寺の敷地内の墓地ならお布施が必要で、合わせれば小さい金額ではありません。近年、お墓の管理・法要をする寺院と檀家の関係が希薄になり、こうした費用の意味を疑問視する人も増えています。
2021年7月19日掲載