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上昇基調続く米国株、動きを示す指標は?

2021.7.5 掲載
米国株の上昇基調が続いており、日本でも米国株への投資が増えています。コロナ禍で日本株は膠着感が強いのに対し、いち早く経済が回復して好調な米国株が注目されています。米国株の動向を示す株価指標にはどのようなものがあるのでしょうか。今回は米国株の代表的な指標について解説します。

3.S&P500は時価総額が大きい企業を中心に米国の500社を対象に算出

3.S&P500は時価総額が大きい企業を中心に米国の500社を対象に算出
 S&P 500種株価指数はNYSEとナスダックに上場する米国の企業から選んだ代表的な500社を対象に時価総額加重平均で算出します。構成銘柄は時価総額が大きい大型株が中心です。構成銘柄が多いので、ダウ平均より個別銘柄の株価動向の影響を受けにくいのが特徴です。米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズが1957年に算出を始めました。機関投資家が運用の指標として重視しています。
 米株式市場の取引は日本時間の午前6時まで(サマータイム期間=3月の第2日曜から11月の第1日曜=は同5時まで)で、その日の各株価指数の終値が確定します。各指数に反映した世界一の経済大国である米国の経済動向は午前9時から取引が始まる日本の株式市場に即座に影響を与えます。
 米国では成長力の高い企業が次々に登場しており、米国の株価指数は上昇基調が続いています。2001年を基準にS&P 500種株価指数と日経平均株価を比べると、日経平均の上昇率が約2倍だったのに対し、S&P 500は3倍以上でした。日本では中長期で成長が期待できる米国のハイテク株を組み入れる投資信託などへの投資が若年層を中心に増加。20年度の外国株で運用する投信への資金流入額は約5兆円に上り、1997年度以降で最大となりました。ただ、米株式市場は既に高値圏にあり、利上げ再開の前倒しなどへの警戒感も出ておりリスクに備えが必要です。
2021年7月5日掲載