ビジュアル・ニュース解説

新型コロナ感染「第4波」の恐れ、ワクチン接種急ぐ

2021.4.19 掲載
新型コロナウイルスのワクチン接種が医療従事者に続き、2021年4月から高齢者を対象に始まりました。新型コロナ感染の特効薬がまだない状況下ではワクチン接種が有効な対策となります。ワクチンとはどのようなもので、新型コロナワクチンはこれまでのワクチンとどのような違いがあるのでしょうか。ワクチン接種の現状も含めて解説します。

3.国内のワクチン接種は累計で約169万回に

3.国内のワクチン接種は累計で約169万回に
 国内の新型コロナ感染は2021年3月末から4月にかけて再び拡大しており、感染「第4波」を懸念する声が高まっています。感染拡大の抑制が期待されるワクチン接種は同年4月12日現在で累計約112万9700人に対して約169万600回です。接種は2回する必要がありますが、そのうち接種2回が完了したのは約56万900人です。一方、世界の累計接種回数は同日時点で約7億8867万2700回です。このうち米国が約1億8698万2100回、中国が約1億6734万3000回、インドが約1億452万8600回などと接種が進んでおり、日本の遅れが目立ちます。
 新型コロナ感染を予防するため、国内で21年2月から医師や看護師ら医療従事者に先行接種されているのは米ファイザー製のmRNAワクチンです。政府はファイザーとの間で21年内に1億4400万回分(7200万人分)のワクチンの供給を受けることで合意しており、6月末までに1億回分以上を確保する予定です。このほか、英アストラゼネカと1億2000万回分(6000万人分)、米モデルナと5000万回分(2500万人分)の供給契約を交わしています。
 ワクチン接種が進む医療従事者約480万人に続き、21年4月から65歳以上の高齢者約3600万人への接種が始まりました。高齢者への接種が終わるのは7月以降の見通しで、その後は基礎疾患(持病)のある人が優先接種の対象となり、一般への接種はそれ以降になります。ワクチン接種が進み、地域のなかで接種を受けた人が一定以上の割合を占めると、その地域では感染の連鎖がとまり、流行の拡大が収まる「集団免疫」と呼ばれる状態になります。しかし、世界中でワクチン確保競争が激しくなっており、必要な量を供給できるか不透明な部分があり、スケジュールが変更される可能性もあります。このほか、変異した新型コロナウイルスが世界で急速に広がっており、大きな変異を伴うウイルスが生まれれば、既存のワクチンの効果が失われる恐れもあります。
2021年4月19日掲載