バブル経済とは株価や不動産価格などが生産や消費、投資などの実体経済に見合わないほど大幅に高くなる状況のことです。企業なら業績の向上、土地なら家賃などによる収益の増加に伴って株価や地価が上がるのは当然ですが、バブル下では価格が上がる根拠や理由が明確ではないので、いったん値下がりに転じると過熱状態が一気にしぼんで価格は急落します。このため、膨れ上がってもやがてはじけて消える泡(バブル)に例えられます。
バブルの発生は古くからありました。17世紀のオランダではチューリップの希少な品種が富裕層の人気を集め、球根の価格が上昇。投機の対象となり球根の価格が暴騰し、市民の年収の数倍もの値がつきました。
日本では1980年代後半から90年代初めにかけてバブル景気に沸きました。80年代から低金利を背景に地価が高騰し、株価も急伸しました。日本の国土の面積は米国の25分の1ですが、当時の日本全体の土地の時価総額は米国全体の約4倍に増加。日経平均株価は89年12月29日に3万8915円の史上最高値をつけました。しかし89年5月以降の日銀の金融引き締めや90年3月からの大蔵省(現財務省)の不動産融資規制で地価や株価は急落しバブルは崩壊しました。日本経済はその後「失われた20年」と呼ばれる長期停滞期に突入しました。
米国では90年代後半から2000年初頭にかけてIT(情報技術)関連株が急騰するITバブルが発生。ネット関連企業の上場が多いナスダックの総合指数は当時、史上最高値を記録しました。日本でもインターネット企業や通信・携帯電話関連企業、コンピューター関連企業への投資が盛んになりました。