バブルの発生には様々な要因が関係するとされます。そのひとつが市場にお金が余っている状態にあることです。80年代後半のバブル発生直前には円高が急激に進行したため、企業の輸出競争力が下がり円高不況に陥りました。そこで政府は公共投資の拡大など、積極財政による景気刺激策を打ち出し、日銀は公定歩合を引き下げてお金を借りやすくする低金利政策を長期にわたって続けました。これによって市場に資金があふれました。このとき企業は株式や社債の発行などによって自ら資金調達をしやすかったため、金融機関の融資への依存度は低下。金融機関は土地の価格は下がらないとする「土地神話」を背景に、土地を担保にした融資を膨らませ、不動産への投機を助長しました。
ITバブルでは米国の中央銀行に当たる米連邦準備理事会(FRB)が98年から99年にかけて低金利政策をとったため資金調達がしやすくなり、インターネットなどITの急速な普及に伴う生産性の向上による成長への過度の期待から投資が過熱しました。