ビジュアル・ニュース解説

携帯電話大手、3月からそろって値下げ

2021.2.15 掲載
菅義偉政権の目玉政策のひとつ、携帯電話料金の引き下げが実現します。政府の値下げ要請を受け、携帯電話大手3社は3月から主力ブランドのデータ容量が大容量と中容量のプランの料金をそろって引き下げます。今回は携帯電話各社の料金引き下げの概要や残る課題などについて解説します。

1.世界でも高額な日本の携帯電話料金

1.世界でも高額な日本の携帯電話料金
 日本の携帯電話料金は世界でも高いとされます。総務省の2019年度の「電気通信サービスに係る内外価格差に関する調査」によると、東京、米ニューヨーク、英ロンドン、仏パリ、独デュッセルドルフ、韓国ソウルの6都市の携帯電話料金を比べると、データ容量が月2ギガ(ギガは10億)バイト、同5ギガバイト、同20ギガバイトのプランのいずれも東京がニューヨークを除く4都市より大幅に高く、同20ギガバイトのプランはニューヨークも上回っています。QUICK・ファクトセットによると、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯大手3社の20年3月期決算の売上高営業利益率は18~20%で、海外の通信会社と比べて高く「もうけすぎ」との批判があります。
 大手から通信回線を借りて大手より安くサービスを提供する仮想移動体通信事業者(MVNO)もありますが、20年9月末の携帯電話サービスに占めるシェアは13.6%にとどまっています。日本経済新聞社が20年11月に行った調査でも、約69%が契約中の携帯料金を「高い」と感じていることがわかりました。どのくらい安くなれば値下げと感じるかについては、「3割」が34%、「4割」が14%、「半額以上」が29%でした。
2021年2月15日掲載