ビジュアル・ニュース解説

温暖化ガス排出の50年ゼロへ電動車への切り替え加速

2021.2.1 掲載
自動車を電気自動車(EV)など「脱ガソリン車」に切り替える動きが世界で加速しています。政府は温暖化ガスの排出を2050年までに実質ゼロにする目標を掲げており、その実現のために策定したグリーン成長戦略では国内の新車販売のすべてを30年代半ばまでに電動車にする計画です。今回は脱ガソリン車に向けた世界の動向や実現への課題などについて解説します。

1.CO2排出量、運輸部門が19%占める

1.CO2排出量、運輸部門が19%占める
 2019年度の国内の二酸化炭素(CO₂)排出量(速報値)は11億600万トンで、そのうち自動車をはじめとする運輸部門が2億700万トンと全体の18.7%を占めています。このため、政府が20年10月に打ち出した温暖化ガスの排出量を50年までに実質ゼロにする目標を実現するには、運輸部門のCO₂排出量削減が欠かせません。政府のグリーン成長戦略には洋上風力発電による電力など再生可能エネルギーの利用拡大とともに、30年代半ばまでに新車販売をすべて電動車にすることが盛り込まれました。菅首相は21年1月の施政方針演説で電動車への転換を35年までとさらに時期を明確にしました。
 東京都は国よりさらに前倒しで脱ガソリン車を進めます。20年12月、都内で販売される新車すべてを30年までにハイブリッド車(HV)やEVなどの電動車に切り替える方針を示しました。
2021年2月1日掲載