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2021年度予算、コロナ対応などで概算要求105兆円超え最高に

2020.12.21 掲載
政府の2021年度予算案の編成が20年12月末の決定に向けて大詰めを迎えています。菅内閣が初めて編成する予算は、新型コロナウイルスの感染拡大への対応や経済対策で規模がさらに拡大しそうです。今回は政府の予算編成の進め方や予算の現状などについて解説します。

1.歳入と歳出を管理する一般会計と特定の事業や資金を管理する特別会計

1.歳入と歳出を管理する一般会計と特定の事業や資金を管理する特別会計
 国の予算には一般会計と特別会計があります。基本となる一般会計は税収などの収入にあたる歳入と、社会保障などの支出を示す歳出を年度ごとに管理します。特別会計は一般会計とは別に、特定の事業や資金を管理します。
 翌年度の予算編成はまず内閣府の経済財政諮問会議が「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)をまとめ、政府が例年6月に閣議決定します。予算の査定を担う財務省は骨太の方針に基づき、各省庁に予算を要求する際のルールとなる概算要求基準を示します。各省庁は概算要求基準に沿って8月末までに翌年度に必要な事業費を財務省に概算要求します。
 財務省は年末にかけて、概算要求に盛り込まれた事業の必要性や金額を精査し、各省庁と議論して予算案をまとめます。財務省で予算編成を担当するのは主計局で、主計官が各省庁の幹部から詳細をヒアリングして要求を査定します。最後は財務相との閣僚折衝を経て予算案をまとめ、政府は12月に予算案を閣議決定。年明けの通常国会に政府の予算案を提出します。
 通常国会ではまず衆議院の予算委員会で予算案を審議し賛成多数で可決されれば、衆院本会議で採決します。衆院で予算案が可決されると参議院に送られ、衆院と同様に予算委員会と本会議で可決されれば予算が成立します。予算案は参院の議決がなくても、憲法の規定によって参院送付後30日で成立します。
2020年12月21日掲載