ビジュアル・ニュース解説

新型コロナで死亡・重症者、日本はなぜ少ない?

2020.11.16 掲載
新型コロナウイルスが世界でなお猛威を振るっています。感染の拡大終息のめどは立っていませんが、このウイルスに関する研究が進み、特徴が徐々に明らかになっています。日本人の死亡者や重症者が欧米と比べて少ないこともそのひとつです。今回はその要因について解説します。

3.BCG接種の義務付けが免疫力を強化?

3.BCG接種の義務付けが免疫力を強化?
 このほか、結核を予防するBCGワクチンの接種の有無を要因とする説もあります。京都大学などの研究グループがBCGワクチンの接種を2000年まで義務付けていた国とそれ以外の国のウイルス流行初期の30日間の状況を比べたところ、義務付けていた国の方が感染者数、死者数とも増加率が低いという結果が出ました。BCGワクチンが本来の結核菌に対してだけでなく、免疫力全体を強化した可能性があります。
 日本人の重症化や死亡率の低さの要因がわかれば、海外での感染拡大の予防や治療薬・ワクチン開発にヒントになる可能性があり、今後さらに研究が進むことが期待されます。
2020年11月16日掲載