半年から1年先の経済を織り込むとされるのが株価です。実質GDPの年率換算値と日経平均株価の月末終値の平均値の動きを比較すると、高い連動性を示しています。日経平均株価は20年2月中旬には2万3000円を上回っていましたが、同年3月19日に1万6552円まで下落。その後は上昇基調に転じ同年6月以降はおおむね2万2000円を上回って推移し、同年8月中旬には新型コロナウイルスの感染拡大前の水準を回復しました。ただし、これは景気回復への期待だけでなく、各国が相次ぎ財政政策や金融緩和を推し進めたことが大きな要因とみられます。
このほか、内閣府が仕事を通じて景気の動向を観察できる人々に判断を聞く「景気ウオッチャー調査」もあります。タクシーの運転手やコンビニエンスストアの店長、ホテルのスタッフら約2000人に、3カ月前と比べたその時点の景気と2~3カ月後の景気の予測を5段階で毎月聞いて指数化しています。月末の調査結果が翌月の第6営業日に出るため、速報性が高いのが特徴です。