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米大統領選、新型コロナや人種差別への対応など争点に

2020.9.21 掲載
2020年には4年に1度の米大統領選があります。既に共和、民主両党とも候補指名を争う予備選が終わり、共和党は現職のドナルド・トランプ氏、民主党は前副大統領のジョー・バイデン氏をそれぞれ候補に指名。11⽉3⽇の投開票に向けて選挙戦が続いています。米国の指導者選びは日本を含む世界の政治や経済に大きな影響を与えます。今回は米大統領選の仕組みや現在の情勢などについて解説します。

2.本選挙はほとんどの州で最多票の候補が全選挙人を獲得

2.本選挙はほとんどの州で最多票の候補が全選挙人を獲得
 本選挙は毎回11月の第1月曜日の翌日の火曜日に⾏われ、今回は11月3日に投開票されます。有権者は候補者に直接投票するのではなく、支持候補者を明らかにしている「大統領選挙人」に投票します。538人の選挙人は人口に応じて50州と首都ワシントンにそれぞれ割り当てられます。過半数の270人以上を獲得した候補が当選し、約1カ月後の選挙人による投票で正式に次期大統領に選ばれます。
 ほとんどの州は最も多くの票を得た候補がその州に割り当てられた選挙人のすべてを獲得する「勝者総取り方式」を採⽤しています。例えばカリフォルニア州の選挙人は全米で最多の55人ですが、投票で過半数の票を取った候補は対立候補との得票数差がわずかだったとしても55人すべてを獲得します。
 このためカリフォルニア州やテキサス州など選挙人の割り当て数が多い州で過半数の票を取れば、全国の総得票数で負けても当選できます。2016年の大統領選で、民主党候補のヒラリー・クリントン氏は全国の総得票数で共和党候補のトランプ氏を上回りましたが、選挙人の獲得数で下回って敗れました。
2020年9月21日掲載