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地球の歴史区分に初めて日本の地名「チバニアン」

2020.9.7 掲載
地球の歴史の一時代が2020年1月、千葉の名前に由来する「チバニアン」(ラテン語で千葉時代)と命名されました。国際学会の国際地質科学連合が千葉県市原市の地層を77万4000年前から12万9000年前の様子を示す代表的な地層として承認しました。日本の地名が地球の年代名になったのは初めてです。地球の歴史はどのように区切られ、チバニアンにはどんなことが起こったのでしょうか。今回は命名の経緯などを含めて解説します。

1.地質時代は地層の中の化石や環境変化の痕跡で区分

1.地質時代は地層の中の化石や環境変化の痕跡で区分
 文字で書かれた文献や記録が残る有史時代以前を地質時代と呼びます。この時代の地球の様子を知るには、何層も積み重なった地層の中に残された生物の化石や自然環境の変化の痕跡などを調べます。地質時代はそれに基づき117に区切られており、国際地質科学連合が新しい時代の境界を観察・研究しやすい地層を「国際標準模式地」として世界で1カ所選び、その所在地などをもとに年代名を決めます。例えば2億年から1億5000万年くらい前の、恐竜の時代として有名なジュラ紀は、スイスとフランスの間にあるジュラ山脈の地層をもとに名付けられました。
 大きなくくりの地質年代の模式地の多くは英国にあります。これは英国で18世紀に蒸気機関や暖房の燃料として石炭が使われ始め、石炭層を探すために地層が調べられたことで地質年代が決められたからです。
2020年9月7日掲載