量子コンピューターの実用化が現実味をおびてきたことで、新たな社会問題が懸念されています。情報の改ざんや漏洩を防ぐためインターネットの通信などで広く利用されている暗号が、量子コンピューターを使って短時間で複雑な計算をすることによって破られてしまう可能性が指摘されています。仏タレスがまとめた「2020タレス データ脅威レポート」によると、調査対象企業の72%が今後5年以内に量子コンピューターの能力が自社のデータセキュリティーに影響を及ぼすと予想しています。
この状況に対応し、既存の方式に代わる暗号技術への取り組みが徐々に活発化しています。電子証明書大手の米デジサートの日本法人、デジサート・ジャパンは量子コンピューター時代のセキュリティー対策を指南する「耐量子コンピューター暗号成熟度モデル」を公開。量子コンピューターの脅威に対するシステムの成熟度を測るモデルを示し、成熟度モデル別にセキュリティーリスクや具体的な取り組みなどを紹介しています。