原油価格の動向を知る国際指標はニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の先物市場で取引されるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)や北海ブレント原油、ドバイ原油の価格です。WTIは米国のテキサス州やニューメキシコ州を中心に産出する硫黄分が少ない軽質油で、北米の指標です。北海ブレント原油は英国の北海にあるブレント油田などで採掘される軽質油で、欧州の指標です。中東産原油への依存度が高いアジアではアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ産のドバイ原油のスポット価格が指標とされます。
原油価格を決める要因にはその時の需要や供給、在庫の増減の需給ファンダメンタルズと、将来の需給に対する懸念や、投機資金の流入など金融の動向、産油国での紛争・テロなどの地政学的リスクといったプレミアム要因があります。需給ファンダメンタルズの影響では、中国経済の発展による石油需要の拡大や需給調整を狙った原油の減産による価格の高騰などがあり、プレミアム要因では中東戦争が原因のオイルショックやリーマン・ショックによる景気減速などが挙げられます。