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新型コロナ「パンデミック」終息目指しワクチンなど開発急ぐ

2020.5.18 掲載
新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るっています。感染症が世界で大規模に流行し制御できなくなった状態は「パンデミック」と呼ばれ、これまでに何度か起きています。今回は過去のパンデミックや感染予防の切り札とされるワクチン、感染拡大を収束に向かわせる「集団免疫」などについて解説します。

3.感染が広がり集団免疫ができれば終息も

3.感染が広がり集団免疫ができれば終息も
 過去の感染症の流行には共通した特徴があります。感染者は短期間で死亡しなければ回復して抗体を持ち、多くの場合、その抗体は再感染予防効果を一定期間保ちます。抗体保持者が6~7割程度に増えると、抗体を持たない人の周囲に感染を防ぐ「人の壁」をつくる「集団免疫」と呼ばれる状態になり、流行は終息へ向かいます。ただ、新型コロナウイルスは感染から回復した後に再び感染した例が報告されており、感染しても抗体ができにくいとの指摘も出ているため集団免疫ができるかどうかはわかりません。
 英国政府は当初、免疫を持つ人の増加を一定割合まで容認する集団免疫戦略を打ち出しましたが、状況の深刻化で必需品の買い物などを除く外出を禁止する政策に転換しました。高齢化が進む国や医療インフラが充実していない国では、集団免疫ができるまでに膨大な数の死者が出る可能性があるのでウイルスの封じ込めを優先しています。
2020年5月18日掲載