ビジュアル・ニュース解説

4K8K放送の普及、今後のコンテンツ拡大に期待

2020.4.20 掲載
高画質の映像が視聴できる4K8K放送が始まって1年以上たちました。消費増税前の駆け込み需要に加え、当初は2020年に予定されていた東京五輪・パラリンピックに向けて、4K8K放送を視聴できる機器は堅調に伸びているものの、政府の普及目標は大きく下回っています。今回は4K8K放送の概要をおさらいするとともに現状について解説します。

1.4Kの画素数はフルハイビジョンの4倍、8Kは16倍

1.4Kの画素数はフルハイビジョンの4倍、8Kは16倍
 テレビ画面の精細さの尺度はデジタル映像を構成する点である画素の数です。4K8KのKは数字の1000を指し、4Kは横方向の画素数が約4000、8Kは約8000です。縦方向と横方向を掛けた全体の画素数は、4Kがこれまでのフルハイビジョン(2K)の4倍、8Kは16倍で、それだけ高精細の映像を楽しめるわけです。
 国内の地上波によるテレビ放送は2011年、デジタルに完全移行しましたが、それ以前のアナログ放送は米国のNTSC方式が採用されていました。テレビ放送は1画面の映像を細い横線に分割して送信しており、この線を「走査線」といいます。NTSC方式は1秒間に約30の画面を525本の走査線に分割して送信し、画面の横と縦の比率(アスペクト比)は4対3でした。
 アナログ放送がモノクロからカラーになり、さらによりきれいなカラー画面を目指し、走査線がそれまでの約2倍の1125本で、アスペクト比が16対9の高品位テレビ(HDTV)が開発され、2000年に国際規格となりました。日本ではNHKが欧米に先駆けてHDTVの開発・実用化を進め、ハイビジョンの愛称が付けられました。米国がHDTVの規格をデジタル方式で開発し、欧州もデジタル化を進めたため、日本もデジタル化を決めました。使用していた放送衛星の寿命が尽きた07年9月末にアナログのハイビジョン放送は終了。デジタルハイビジョンへと移行し、さらに高精細化に向けて4K8Kに引き継がれました。
2020年4月20日掲載