ビジュアル・ニュース解説

暦にうるう年があるのはなぜ?

2020.2.3 掲載
東京五輪・パラリンピックが開かれる2020年は2月が29日まであるうるう年です。「4年に1度の五輪が開かれる年は必ずうるう年」と思っている人が多いでしょうが、実はうるう年でない年もあります。なぜそうなるのでしょうか? 今回は暦の歴史や成り立ちなどを紹介します。

3.行事や農作業など、生活と密接に関わる暦

3.行事や農作業など、生活と密接に関わる暦
 日本では大化の改新以降、独自の元号が使用されており和暦とも呼ばれています。2019年5月には令和に改元されました。元号はもともと中国で始まり、韓国やベトナムなど東アジアの国々で使われていましたが現在、公的に元号を使用しているのは日本だけです。日本の公文書での元号と西暦との併用について、政府は各省庁や自治体の判断に委ねるとしています。公文書に元号の記載を義務づける法律や、西暦併記の基準はないため、これまで通り西暦と元号の併用が続くことになります。
 西暦はそもそもイエス・キリストが生まれたとされる年の翌年を始まりとしており、英文表記で紀元前を表す「BC」は「Before Christ」、西暦紀年のADはラテン語で「主(キリスト)の年」を表す「アンノドミニ」の略です。キリスト教以外の宗教の信者が多い国ではこれに違和感を抱く人もいるため、ADを「CE」(Common Era=共通紀元)、BCを「BCE」(Before Common Era)にそれぞれ置き換える動きも広がりつつあります。
 古代エジプトではナイル川の増水に周期性を見いだして暦を作っており、農業をはじめ身近な生活になくてはならないものでした。暦が祭事や行事、農作業など生活と密接に関わっているのは今も変わりません。
2020年2月3日掲載