ビジュアル・ニュース解説

暦にうるう年があるのはなぜ?

2020.2.3 掲載
東京五輪・パラリンピックが開かれる2020年は2月が29日まであるうるう年です。「4年に1度の五輪が開かれる年は必ずうるう年」と思っている人が多いでしょうが、実はうるう年でない年もあります。なぜそうなるのでしょうか? 今回は暦の歴史や成り立ちなどを紹介します。

1.グレゴリオ暦を世界のほとんどの国が使用

1.グレゴリオ暦を世界のほとんどの国が使用
 暦は時間の経過を年や月、週、日の単位で分割したもので、それを見てわかるようにしたのがカレンダーです。地球が太陽の周りを公転して1周する日数を基準にした暦が太陽暦です。地球が太陽の周りを1周する時間が1年、地球が自転により1回転する時間が1日です。1日が7回過ぎると1週間になります。天文の知識から生活に便利な暦が生まれたわけです。
 現在、世界のほとんどの国で使われている暦がグレゴリオ暦です。グレゴリオ暦は1582年10月から使われている太陽暦で、ローマ教皇のグレゴリウス13世がそれまでのユリウス暦の改良を命じて制定されました。地球が太陽の周りを公転する周期はちょうど365日ではなく、正確には約365.24日です。共和制ローマ時代から使われたユリウス暦は1年を365日とし、1年が366日のうるう年を4年に1度設定することでずれを調整していました。しかし、より精密な観測の結果、それでも約128年で1日のずれが生じることが判明し、グレゴリウス13世が改暦を命じました。
 グレゴリオ暦ではうるう年を400年に97回設けています。うるう年が400年に100回ではないため、4年ごとの五輪が開かれる年は必ずしもうるう年ではありません。西暦年が4で割り切れる年のうちうるう年にならないのは、西暦年が100で割り切れるが400では割り切れない年です。つまり2100年は五輪が開かれる年でありながら、うるう年ではないことになります。グレゴリオ暦が使われ始めて以降、西暦年が4で割り切れるにもかかわらず、うるう年ではなかったのは1700年、1800年、1900年の3回ありました。
2020年2月3日掲載