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大量データをけた違いに速く通信―5G商用化

2020.1.20 掲載
 大容量のデータを瞬時に送受信できる次世代通信規格「5G」の商用サービスが2020年春に国内で始まります。この特長を生かして、あらゆるモノがネットにつながるIoTを進める基盤となります。既に米国と韓国の通信大手などが商用化しており、他の国も相次ぎ導入する予定です。今回は5Gと現行規格との違いや今後、社会をどう変えるかなどについて解説します。

1.現在主流の4Gの20~100倍速く通信

1.現在主流の4Gの20~100倍速く通信
 5Gは現在主流の4G(第4世代)と比べて、超高速、超低遅延、多数同時接続などの特長があります。5Gの理論上の最高通信速度は毎秒20ギガ(ギガは10億)ビットで、4Gの約20倍。スマートフォンなどで普及している4Gの規格「LTE」の実効速度と比べると100倍以上高速です。
 5Gで通信速度が速くなる最大の理由は、使用する電波の周波数帯の幅が4Gより広いからです。周波数帯は通信データの通り道のようなものです。4Gで利用されている周波数帯は3.6ギガヘルツ以下ですが、5Gではそれに加えて、「道幅」がもっと広い3.6~6 ギガヘルツ、28ギガヘルツの周波数帯を利用することで、大量のデータをさばくことができます。
 超低遅延は遠距離でもデータ送受信の遅れが1000分の1秒と飛躍的に小さくなり、限りなくリアルタイムに近いデータのやりとりができることです。同時に多数の端末を接続できることが多数同時接続です。5Gでは1平方キロメートル当たり100万台と、4Gの10倍の端末の同時接続を目指しています。
2020年1月20日掲載