ビジュアル・ニュース解説

節電、地球温暖化の防止にも貢献

2019.12.2 掲載
暖房を使う冬は、冷房の使用が増える夏に次いで電力の使用量が多い季節です。節電は電気料金を減らせるだけでなく、石炭や石油など化石燃料による発電の抑制にもつながり、地球温暖化の防止に役立ちます。今回は節電の意義や方法などについて解説します。

3.対策を積み重ねて大きな効果を狙う

3.対策を積み重ねて大きな効果を狙う
 冬の電力需要の拡大に対応し、政府の省エネルギー・省資源対策推進会議省庁連絡会議は19年10月、「冬季の省エネルギーの取組」を決めました。家庭での電気機器の使用について、暖房は「適切な室温管理(20度程度)をする。エアコンのフィルターは適切に清掃する」ことを求めているほか、冷蔵庫は「無駄な開閉を控えるとともに、開閉は手早く行う。適切な温度設定とする。放熱スペースの確保のため、周囲と適切な間隔を空けて設置する」、照明は「不要な照明はこまめに消灯する」、テレビは「部屋の明るさに合わせた適切な明るさで視聴するとともに、視聴しない時はこまめに消す」としています。
 エアコンやテレビなどはリモコンで電源を切っても電力を消費しており、この待機時消費電力は家庭1世帯の消費電力の約5%を占めるといわれます。このため機器を使わないときは電源プラグをこまめに抜くことも節電になります。
 同会議は政府が率先して取り組むこととして、「コンピューター室の冷房については、性能が確保できる範囲内で可能な限り設定温度を上げる等の適正な運用」「窓については、複層ガラスや二重窓、遮光フィルム、外部のひさしやブラインドシャッターの導入など、断熱性能の向上」「ウォームビズを励行」などを挙げています。照明は「政府全体のLED(発光ダイオード)照明のストックでの導入割合を20年度までに50%以上とする」ほか、電気機器の省エネ型への置き換えを進めることを目指しています。
 同会議の節電への取り組みはいずれもちょっとした対策を積み重ねていくことで大きな効果を上げることを狙っています。
 16年4月の電力小売りの全面自由化で、家庭向けの電力も利用者が電力会社や料金プランなどを自由に選べるようになりました。節電と併せて、より低価格の電力に切り替えれば、家庭の電気代をさらに削減できるでしょう。
2019年12月2日掲載