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代替食品、健康・環境志向の高まりで人気

2019.11.4 掲載
欧米の先進国を中心に、肉や乳製品など動物由来の食品を植物由来に置き換えた代替食品の人気が高まっています。日本でも同様の動きが広がりつつあり、代替食品の種類も増えてきました。今回は代替食品の市場が拡大している背景について解説するほか、主な食品を交えて国内の現状を紹介します。

4.がんもどきやマーガリンなど以前からあるものも

4.がんもどきやマーガリンなど以前からあるものも
 動物由来のたんぱく質の代替食品と並んで近年、米飯などの炭水化物の摂取を減らす糖質制限ブームで注目を集めているのがコメの代替食品です。カリフラワーやブロッコリー、キャベツなどの野菜の固い部分を米粒大に切って、カレーやチャーハン、丼物などでご飯の代わりに使うものです。イオンが18年11月、冷凍食品「トップバリュ お米のかわりに食べる」シリーズのカリフラワーとブロッコリーを、キユーピー子会社のサラダクラブは同年10月に「キャベツライス」をそれぞれ発売しました。
 実は日本では古くから、別の食材を使って本物に似せた「コピー食品」が作られてきました。その代表として、がんもどきがあげられます。元々は仏教の戒律に基づき、動物の殺生や煩悩への刺激を避ける僧侶のために調理される精進料理の食材として肉に似せて作られました。
 コピー食品で最も多いのは原材料が高価だったり、入手が難しかったりするため代替するものですが、食のバリエーションを豊かにする食材としても使われています。スケソウダラなどを原料にしたカニやホタテの風味かまぼこなどはもはや定番商品です。マーガリンはもともと、バターが高価なことからその代替として作られた食品ですが、「含まれるコレステロールが少ない」「冷蔵庫で保存しても硬くなりにくい」などの利点が好まれて普及し、バターとは別の食品とされるようになりました。
 世界でのその数の減少が危惧されている生物は少なくないため、今後入手が難しい食品原料は増えるでしょう。資源保護の観点からも、代替食品の開発に拍車がかかりそうです。
2019年11月4日掲載