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代替食品、健康・環境志向の高まりで人気

2019.11.4 掲載
欧米の先進国を中心に、肉や乳製品など動物由来の食品を植物由来に置き換えた代替食品の人気が高まっています。日本でも同様の動きが広がりつつあり、代替食品の種類も増えてきました。今回は代替食品の市場が拡大している背景について解説するほか、主な食品を交えて国内の現状を紹介します。

2.大豆を使った代替肉、ハンバーガーなどに

 代替肉の原料は大豆が多く、その製法は様々です。大塚食品が2018年11月に発売した「ゼロミート デミグラスタイプハンバーグ」は大豆を特殊加工することで肉のような食感や味、香りを実現しています。同社は本物の肉を顕微鏡で観察し、肉汁やうまみのもとの成分を分析。ハンバーグの周りは硬めで中の部分は柔らかく、香ばしい風味も出せるように、加工の温度や圧力、時間を変えて何度も試作し、大豆独特の臭いの低減に成功しました。
 ハンバーガー店でも大豆由来の代替肉を使った商品をメニューに加える店が広がっています。モスフードサービスが運営する「モスバーガー」では15年から、大豆由来の植物性たんぱく質を主原料にした「ソイパティ」を使ったハンバーガーを販売しています。
 このほかロッテリアが19年5月から、大豆が原料のパティの「ソイ野菜ハンバーガー」の販売を開始。家具販売のイケア・ジャパンは国内の9店舗で代替肉を使用した「ベジドッグ」を同月に発売しました。パンに挟むソーセージ部分に、ひよこ豆やグリーンピース、ニンジン、ケールなどが原料の代替肉を使っています。
 植物性たんぱく質を使った代替肉では米ビヨンド・ミートのハンバーガー用パティ「ザ・ビヨンド・バーガー」が有名で、米国内の健康志向の強い消費者の人気を集めています。モスバーガーの台湾の一部店舗では19年6月から、このパティを使用したハンバーガーを販売しています。
 大豆が原料の肉に似せた食材はこれまでも日本にありましたが、その味は肉に及びませんでした。近年、代替肉は味や食感が大幅に改善し、多くの消費者から「代替品と言われなければ、本物の肉ではないことに気付かない」と評価されています。
2019年11月4日掲載