代替肉の原料は大豆が多く、その製法は様々です。大塚食品が2018年11月に発売した「ゼロミート デミグラスタイプハンバーグ」は大豆を特殊加工することで肉のような食感や味、香りを実現しています。同社は本物の肉を顕微鏡で観察し、肉汁やうまみのもとの成分を分析。ハンバーグの周りは硬めで中の部分は柔らかく、香ばしい風味も出せるように、加工の温度や圧力、時間を変えて何度も試作し、大豆独特の臭いの低減に成功しました。
ハンバーガー店でも大豆由来の代替肉を使った商品をメニューに加える店が広がっています。モスフードサービスが運営する「モスバーガー」では15年から、大豆由来の植物性たんぱく質を主原料にした「ソイパティ」を使ったハンバーガーを販売しています。
このほかロッテリアが19年5月から、大豆が原料のパティの「ソイ野菜ハンバーガー」の販売を開始。家具販売のイケア・ジャパンは国内の9店舗で代替肉を使用した「ベジドッグ」を同月に発売しました。パンに挟むソーセージ部分に、ひよこ豆やグリーンピース、ニンジン、ケールなどが原料の代替肉を使っています。
植物性たんぱく質を使った代替肉では米ビヨンド・ミートのハンバーガー用パティ「ザ・ビヨンド・バーガー」が有名で、米国内の健康志向の強い消費者の人気を集めています。モスバーガーの台湾の一部店舗では19年6月から、このパティを使用したハンバーガーを販売しています。
大豆が原料の肉に似せた食材はこれまでも日本にありましたが、その味は肉に及びませんでした。近年、代替肉は味や食感が大幅に改善し、多くの消費者から「代替品と言われなければ、本物の肉ではないことに気付かない」と評価されています。