ビジュアル・ニュース解説

図書館、サービス充実でイメージ一新

2019.10.21 掲載
読書の秋です。気候のよいこの時期は読書にうってつけです。気軽に書籍に親しめる場所といえば図書館ですが、サービスが充実して様変わりしています。スマートフォンを置いて、図書館に出かけてみてはいかがでしょうか。今回は図書館の歴史や現状、サービス拡充などについて解説します。

3.民間企業への運営委託でより利用しやすく

3.民間企業への運営委託でより利用しやすく
 インターネットの普及で、図書館まで足を運ばずに書籍をネットでダウンロードしてデジタルブックで読むことも広がりつつあります。そうした中で図書館は地域の文化の発信拠点として、誰もが利用したいと思うようなサービスの充実によって来館者の増加を図っています。
 図書館はこれまで静かに本を読むところ、本を借りる施設というイメージでしたが、カフェを併設したり子供の遊び場を設けたりする動きが広がっています。採光に配慮して閲覧室を明るくしたり、座り心地の良い椅子を置き、書架をゆったりと配置したりするなど居心地の改善も進んでいます。このほか、子供たちがおしゃべりをしながら本を読む専用の図書室の設置、絵本の読み聞かせや人気作家の企画展などのイベント開催も増えています。
 このようなサービス充実の背景には、民間企業への運営委託の拡大があります。レンタルの「TSUTAYA」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が2013年から運営する佐賀県の武雄市図書館は、カフェの併設やDVDレンタルなどでイメージを一変させたことが話題となり、2年半で延べ200万人が来館しました。しかし15年9月、CCCが購入した中古本の中に古い実用書が含まれ、一度も借りられていない本が1600冊以上あることがわかって批判を受けるなど問題も出ています。
 国立国会図書館がデジタル化した所蔵資料のうち絶版などのため入手できない資料を各地の図書館で閲覧・複写できるようにする「図書館向けデジタル化資料送信サービス」を提供するなど、デジタル化を利用したサービスも広がりつつあります。
2019年10月21日掲載