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渋野選手がメジャー制覇、女子プロゴルフの人気に拍車

2019.9.2 掲載
2019年8月に開かれた女子ゴルフのメジャー選手権、全英女子オープンで、20歳の渋野日向子選手が優勝。日本勢では42年ぶりにメジャーを制覇しました。この快挙に日本中が沸き、女子プロゴルフへの関心が一気に高まりました。今回は女子プロゴルフ界の現状や人気の背景などについて解説します。

2.笑顔と親しみやすさで世界中を魅了した「スマイルシンデレラ」

2.笑顔と親しみやすさで世界中を魅了した「スマイルシンデレラ」
 渋野選手の快挙は日本だけでなく世界中のゴルフファンの注目を集めましたが、そのプレースタイルが一因になったようです。メジャーでは多くの選手が通常の大会以上に緊張感を持ってプレーし、ミスショットをすると苦悶の表情を隠しませんが、渋野選手は頻繁に笑顔を見せながら終始楽しげにプレーしました。ホールの移動中には観客とハイタッチし、試合後は写真撮影やサインに気軽に応じました。メジャーで選手がこれほど親しみやすく振る舞うことはめったにないため、現地のメディアから驚きを持って「スマイルシンデレラ」と呼ばれました。
 渋野選手がこれほどリラックスしてプレーできたのは、優勝候補とみなされておらず、彼女自身も無欲だったからです。 渋野選手は18年7月にプロテストに合格したばかりですが、19年の国内大会で早くも2勝を挙げて頭角を現しています。しかし、全英女子オープン直前の世界ランキングは46位で、しかも初の海外遠征だったことから、関係者の誰もが今回の結果を予想できませんでした。
 そんな渋野選手が優勝したのはまさにシンデレラストーリーです。大会で着ていたウエアや日本から持ち込んでショットの合間に食べていた駄菓子まで問い合わせが殺到。ウエアを提供したセレクトショップのビームスは9月にポロシャツの限定モデルを発売する予定で、駄菓子を製造するよっちゃん食品工業もスケソウダラの駄菓子「タラタラしてんじゃね~よ」を増産しています。
2019年9月2日掲載