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G20サミット、日本を議長国に初めて開催

2019.6.17 掲載
2019年6月28、29日の2日間、大阪で20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が開かれます。日本で開催されるのは初めてで、日本が議長国を務めます。世界の国内総生産(GDP)の80%以上を占める国々が集まって世界経済の安定成長について議論します。今回はG20サミットが生まれた経緯やどのような会議なのかなどについて解説します。

1.先進7カ国をはじめとする主要19カ国とEUの20カ国・地域が参加

1.先進7カ国をはじめとする主要19カ国とEUの20カ国・地域が参加
 サミットは主要国の首脳が世界の重要課題について話し合う国際会議です。各国の大統領や首相などトップが参加することから「サミット(頂上)」と呼ばれます。その歴史をひもとくと、サミットが初めて開かれたのは1975年。石油ショックへの対応を話し合うため、フランスに開催国のフランスのほか、日本、米国、英国、西ドイツ(当時)、イタリアの先進6カ国首脳が集まりました。翌76年の第2回からはカナダが加わり、参加国は「G7」(Group of Seven)と呼ばれるようになりました。98年からはロシアがメンバーとして定着し「G8」となりましたが、2014年にはロシアがウクライナ領のクリミア半島を併合したことに他の参加国が反発し、ロシアが外れて再びG7に戻りました。日本では1979年、86年、93年にそれぞれ東京で開催されたほか、地方では2000年に「九州・沖縄サミット」、08年に「北海道・洞爺湖サミット」、16年に「伊勢志摩サミット」が開かれました。
 一方、19年6月に大阪で開かれるG20サミットはG7各国とアルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、中国、インド、インドネシア、メキシコ、韓国、南アフリカ、ロシア、トルコ、サウジアラビアの12カ国に欧州連合(EU)を加えた20カ国・地域の首脳が一堂に会して話し合います。招待国・機関としてオランダ、シンガポール、スペイン、ベトナムのほか、東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国のタイ、アフリカ連合(AU)議長国のエジプト、アジア太平洋経済協力会議(APEC)議長国のチリ、アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)議長国のセネガル、国連、国際通貨基金(IМF)、世界銀行、世界貿易機関(WTO)、国際労働機関(ILO)、主要国の金融監督当局でつくる金融安定理事会(FSB)、経済協力開発機構(OECD)、アジア開発銀行(ADB)、世界保健機関(WHО)も参加します。
2019年6月17日掲載