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新茶の季節到来、海外でも日本茶の消費拡大

2019.5.20 掲載
新茶の出回る季節がやってきました。新茶とはその年の最初に芽吹いた新芽を摘み取ってつくったお茶で一番茶とも呼ばれます。旬のものを愛する日本人は毎年、爽やかな季節に届く新茶を待ち望んできました。健康志向の高まりなどが追い風になり、日本茶の海外への輸出も増えています。今回は私たちの生活に深く根付く日本茶について解説します。

4.輸出が拡大、数量・金額とも過去最高に(2)

 伊藤園は世界市場で「お〜いお茶」などの茶飲料の売り上げを順調に伸ばしており、抹茶ブームの影響もあって米国を中心に茶葉の製品販売も好調です。オーストラリアでは茶葉の生育、栽培をしており、19年秋から緑茶ティーバッグの生産も始める予定です。
 伊藤園は国内でもインバウンドへの訴求のため、羽田空港や福岡空港に和カフェを、成田空港、新千歳空港にはお茶の専門店をそれぞれ設置。外国語で応対できる店員を配置して、同社製品の海外での認知度向上や輸出拡大を図っています。
 丸善製茶(静岡市)はアフリカのモロッコで緑茶やほうじ茶などの製造を始めました。最終加工前の茶葉を輸出して現地で緑茶などの製品に仕上げ、欧米の茶メーカー向けにОEМ(相手先ブランドによる生産)供給しています。欧州に近いモロッコはケニアなどアフリカ大陸の茶の産地からだけでなく、世界各地から茶が運ばれる“茶の集積地”で、ここから日本茶を供給することによって今後、日本茶はますます世界で愛好されそうです。
2019年5月20日掲載