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新茶の季節到来、海外でも日本茶の消費拡大

2019.5.20 掲載
新茶の出回る季節がやってきました。新茶とはその年の最初に芽吹いた新芽を摘み取ってつくったお茶で一番茶とも呼ばれます。旬のものを愛する日本人は毎年、爽やかな季節に届く新茶を待ち望んできました。健康志向の高まりなどが追い風になり、日本茶の海外への輸出も増えています。今回は私たちの生活に深く根付く日本茶について解説します。

2.旬の新茶は苦みや渋みが少なく、うまみや甘みが強い

2.旬の新茶は苦みや渋みが少なく、うまみや甘みが強い
 新茶は若葉の爽やかですがすがしい香りが愛されて生産量が多く、年間を通して最も品質が良いお茶とされます。一番茶を摘み取った後に出た新芽でつくった二番茶やその次の新芽による三番茶と比べて、カテキンやカフェインの含有量が少ないため苦みや渋みが少なく、アミノ酸のテアニンが多いのでうまみや甘みが強い傾向にあります。
 国内で最もお茶の生産量が多いのは静岡県で、2018年の生産量は3万3000トン。鹿児島県が同2万8000トンでこれに続きます。このほか三重県、宮崎県、京都府などが主要な生産地として知られています。ブランドとしては静岡茶、宇治茶(京都)、狭山茶(埼玉)の3銘柄が有名で、「色は静岡、香りは宇治、味は狭山」などと称されることもあります。
 有名な唱歌「茶摘(つみ)」の歌詞に「夏も近づく八十八夜」とありますが、立春から数えて88日目にあたる5月初めの新茶の茶摘みの最盛期を歌ったものとして知られています。ただし新茶の茶摘みの時期は地域によって異なり、最も早い鹿児島県の種子島では3月下旬に行われ、桜前線のようにここから“茶摘み前線”が北上します。
2019年5月20日掲載