ビジュアル・ニュース解説

働き方改革関連法施行、進む働きやすい環境整備

2019.4.15 掲載
 働き方改革関連法が2019年4月に施行されました。まず大企業に対して残業時間を月100時間未満とする上限規制が設けられ、違反すると罰則が科されます。年5日間は有給休暇を取らせることの義務化や、時間ではなく成果を重視する脱時間給(高度プロフェッショナル)制度なども始まりました。人口が減るなか、働きやすい環境を整えることで生産性を向上させるのが狙いです。今回は働き方改革関連法の概要やその施行によって働く環境がどう変わるのか、企業の対応などを解説します。

2.少子高齢化が進み労働力の減少に懸念(2)

2.少子高齢化が進み労働力の減少に懸念(2)
 こうした状況の下で、人手不足は深刻さを増しています。人手不足の拡大は有効求人倍率や労働力調査の結果にはっきりと表れています。厚生労働省がまとめた19年2月の有効求人倍率(季節調整値)は1.63倍で4カ月連続で横ばい。雇用の先行きの指標となる新規求人倍率(同)は2.50倍で前月を0.02ポイント上回り、5カ月連続で上昇しました。総務省の労働力調査によると、19年2月の完全失業率は2.3%で前月に比べ0.2ポイント改善。就業者数は前年同月比78万人増の6656万人で6年2カ月連続増加しています。
 働き方改革関連法は働きやすい環境を整えることで、一人ひとりの生産性を高めるとともに、女性や高齢者の活用を拡大することが狙いです。このほか、長時間の残業など過剰労働によって過労死や自殺を招いたり、健康を害して長期にわたる職場離脱を余儀なくされたりすることが近年目立つことも法整備の背景にあります。
2019年4月15日掲載