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ラグビーW杯、日本で開催へ

2019.2.18 掲載
 「世界の3大スポーツイベント」のひとつとされるラグビーワールドカップ(W杯)が2019年9月から11月まで、日本で開かれます。ラグビーW杯がアジアで開催されるのは初めてで、北海道から九州まで全国の12カ所が会場となります。1987年の第1回大会から出場を続ける日本代表チームには母国で開かれる大会での悲願の決勝トーナメント進出に期待がかかります。期間中は海外からも多くのサポーターが日本を訪れる見込みで、インバウンド(訪日外国人)の増加による経済効果も膨らみそうです。

1.1987年に初めて開催、日本はこれまで決勝トーナメントに進出できず

1.1987年に初めて開催、日本はこれまで決勝トーナメントに進出できず
 ラグビーW杯はラグビーのナショナルチームの世界一を決める国際大会で、4年ごとに開催されています。W杯の第1回大会は1987年にオーストラリアとニュージーランドの共催で開かれました。サッカーW杯の第1回大会が1930年、五輪は1896年に第1回大会がそれぞれ開かれており、それに比べて歴史は浅いといえます。
 ラグビーは英国のパブリックスクールであるラグビー校が発祥とされ、旧英国領を中心に普及してきました。ラグビーの国際大会で歴史があるのは欧州6カ国対抗です。1882-83年にイングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドで対抗戦を始めて以降、毎年開催しており、1910年にフランス、2000年にはイタリアが加わりました。英国と大英帝国時代の植民地からなる英連邦に加盟し、ラグビーが盛んなオーストラリアやニュージーランドでも参加できません。ラグビーW杯はオーストラリアとニュージーランド両国のラグビー協会が1983年に国際ラグビーフットボール評議会(現ワールドラグビー)に創設を提案したのが始まりです。88年のソウル五輪、86年にメキシコで開かれたサッカーのワールドカップ(W杯)と重ならないように87年に初めて開催されました。
 第1回大会はオーストラリア、ニュージーランド両国ラグビー協会による招待試合として開催され、両国のほかスコットランド、イングランド、ウェールズ、アイルランド、フランス、イタリア、アルゼンチン、フィジー、カナダ、ルーマニア、トンガ、ジンバブエ、米国、日本の16カ国・地域が参加。日本代表は3戦全敗で予選敗退となりました。91年に日本は初勝利を挙げ1勝2敗としたものの、その後は95年と参加が20カ国・地域に増えた99年が3戦全敗、2003年は4戦全敗、07年と11年は3敗1分けと不振が続きました。しかし、イングランドで開かれた15年はW杯で過去2回優勝している強豪の南アフリカを破る大金星を挙げたのに続き、サモアと米国にも勝って3勝1敗と善戦したものの、惜しくも決勝トーナメント進出を逃しました。地面に置かれたボールを蹴る際、人差し指を伸ばして両手を合わせる五郎丸歩選手の「五郎丸ポーズ」を記憶している人は多いでしょう。
2019年2月18日掲載