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終わる「平成」、次の元号はどのように決まる?

2019.1.21 掲載
2019年が始まりました。元号の「平成」が30年ぶりに変わることが注目を集めています。そもそも元号とはどんなもので、何に基づいて決められるのでしょうか。今回は元号の成り立ちや新しい元号の決定・公表の流れなどについて解説します。

3.新元号は新天皇が即位する1カ月前の4月1日に公表

3.新元号は新天皇が即位する1カ月前の4月1日に公表
 2017年6月、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」が成立し、公布されました。政府は同年12月、天皇陛下の退位の日程を2019年4月30日に決めました。つまりこの日で平成31年が終わり、翌5月1日以降は新元号になります。
 新元号選びの基準は漢字2文字で書きやすく読みやすいこと、過去に元号やおくり名(天皇逝去後の呼称)に使われていないこと、良い意味を持つことなどです。また、様々な文書で元号のアルファベットの頭文字が略号として使われるため、アルファベットの頭文字が明治のM、大正のT、昭和のS、平成のHの4文字以外から選ばれる見込みです。
 明治以降の元号はすべて中国の古典が出典で、明治と大正は儒教の経典『易経(えききょう)』、昭和も儒教の経典『書経(しょきょう)』、平成は『書経』と歴史書『史記(しき)』からそれぞれ言葉が採用されています。平成は書経の「地平天成(地平らかに天成る)」と史記の「内平外成(内平らかに外成る)」から引用されており、「国の内外、天地ともに平和が達成される」という意味です。
 日本でこれまでに元号に採用された漢字は意外に少なく72字しかありません。一番多く使われた漢字は29回の「永」、27回の「天」「元」が続きます。平成の「平」も12回使われています。
 新元号は右記のスケジュールで、改元1カ月前の2019年4月1日に公表されます。通例のように新天皇の即位日に公表しないのは、改元までに猶予期間を設けることでシステム改修などの時間を確保し、国民生活への影響を最小限に抑えるためです。
2019年1月21日掲載