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終わる「平成」、次の元号はどのように決まる?

2019.1.21 掲載
2019年が始まりました。元号の「平成」が30年ぶりに変わることが注目を集めています。そもそも元号とはどんなもので、何に基づいて決められるのでしょうか。今回は元号の成り立ちや新しい元号の決定・公表の流れなどについて解説します。

2.あらかじめ元号が変わることが分かっている異例の年

2.あらかじめ元号が変わることが分かっている異例の年
 元号が新たなものに切り替わることを「改元(かいげん)」と言います。2019年は約30年続いた平成の時代が終わる改元の年になります。改元への関心が高まっているのは、日本人の多くがそれぞれの元号の期間をひとつの時代と認識し、アイデンティティーや思い出を共有しようとする傾向があるため、元号が変わることで新たな時代の幕開けを予感させるからでしょう。
 日本の歴史上、改元は国家の繁栄や国民の平安を願って行われ、そのきっかけは①天皇の交代②大地震や大きな火災、疫病流行など凶事の発生③吉事(おめでたい出来事)の発生④陰陽道(おんみょうどう)という占いに基づく異変が起こりやすい年のいずれかでした。しかし、明治維新で天皇の交代によってのみ改元する「一世一元」の制度が採用され、それ以降1人の天皇の在位中は1つの元号の期間となりました。
 日本でこれまで使われた元号は最初の大化から現在の平成まで247あります。天皇1人の在位期間中の改元回数が最も多かったのは後花園天皇時代で、1428~64年の在位中に8回も改元されています。
 明治から大正、大正から昭和、昭和から平成への改元は、それぞれ在位中の天皇の崩御(ほうぎょ=お亡くなりになること)に伴って新天皇が即位し、これに合わせて新しい元号に変わりました。2019年の改元が異例なのは、現在の天皇陛下が存命中に退位することに伴うものであることです。このため、今年はあらかじめ元号が変わることが分かっているのです。
2019年1月21日掲載