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終わる「平成」、次の元号はどのように決まる?

2019.1.21 掲載
2019年が始まりました。元号の「平成」が30年ぶりに変わることが注目を集めています。そもそも元号とはどんなもので、何に基づいて決められるのでしょうか。今回は元号の成り立ちや新しい元号の決定・公表の流れなどについて解説します。

1.漢字文化圏の紀年法、今も使用しているのは日本のみ

1.漢字文化圏の紀年法、今も使用しているのは日本のみ
 2019年は正確には西暦2019年です。西暦は世界で最も広く使われている紀年法(年を数えたり記録したりする方法)で、イエス・キリストが生まれたとされる年の翌年を元年、つまり最初の年としています。
 これに対して、元号は中国を中心とするアジア東部の漢字文化圏で独自に用いられた紀年法で、年号と呼ばれることもあります。現在も使っているのは日本だけです。現在の元号「平成」は今の天皇陛下が即位された年の1989年を元年としています。
 元号は皇帝や君主など統治者の即位によって改められることで、その統治者による時間の支配や権力継承の正当性を象徴してきたといわれています。中国では前漢の武帝が紀元前115年、即位の翌年の同140年に遡って元号「建元」を定めて以降、一般に使われ、中国の支配下にあった近隣諸国も同じ元号を使用していました。
 日本で元号の使用が始まったのは645年とされます。飛鳥時代に権勢を誇った豪族・蘇我氏を滅亡させ、天皇を中心とする国家成立を目指した政治改革「大化の改新」を機に、孝徳天皇が即位してまもなく元号を「大化」とし、この年を元年と定めました。その後、元号が使われない時期があり、継続して使用されるようになったのは8世紀初頭からです。
 元号を使った紀年法は和暦(われき)、あるいは邦歴(ほうれき)とも呼ばれます。
2019年1月21日掲載