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日本産ワイン、品質向上で人気上昇

2018.12.17 掲載
日本産ワインの品質が向上し、人気が高まっています。国際コンクールで受賞するワインが出てきたほか、2018年10月から「日本ワイン」の表示ルールも厳格化されて信頼度やブランド力が向上。国内の大手メーカーは需要拡大を期待し、相次ぎ増産に動いています。今回はワインの基礎知識や日本での生産・消費の歴史、国内メーカーの動きなどについて解説します。

1.ブドウ果汁をアルコール発酵させてつくる醸造酒(1)

1.ブドウ果汁をアルコール発酵させてつくる醸造酒(1)
 ワインはブドウの果汁を主原料にアルコール発酵させた醸造酒です。アルコール発酵では糖分が酵母の働きでアルコールと二酸化炭素(CO₂)に分解されます。同じ醸造酒のビールや日本酒をつくるには、原料の大麦やコメに含まれるでんぷんを糖分に変える「糖化」の工程が必要ですが、ブドウの果実は糖分を含むため、つぶして放置するだけでアルコール発酵してワインになります。ブドウの品種や栽培する土壌の違い、産地の気候、収穫する年の気象条件などに左右されるブドウの出来具合が味に反映されやすいのが特徴です。
 ワインは製法により、CO₂を含まない「スティルワイン」、CO₂を含む発泡性の「スパークリングワイン」、醸造過程で40度以上のアルコールを添加する「フォーティファイド(酒精強化)ワイン」、スティルワインに果汁やハーブなどを加えて風味をつけた「フレーバードワイン」の4種類に分けられます。色で分けると、果皮が黒や赤の黒ブドウを原料にして果実を皮ごとアルコール発酵させてつくる赤ワイン、果皮が黄や薄緑の白ブドウを原料にして果汁だけでつくる白ワイン、ピンク色のロゼワインがあります。
2018年12月17日掲載