iPS細胞を使って病気の状態を再現し新薬開発に役立てる「iPS創薬」への期待も高まっています。創薬研究では動物実験で病態を再現して効果を確かめるのが一般的ですが、動物実験で成功しても人には効果がないことがあります。患者の細胞からiPS細胞を作り、これを使って病態が再現できれば、動物実験が省けて薬を生み出すための期間短縮やコスト削減ができます。
京大は17年9月、筋肉の中に骨ができる難病の患者のiPS細胞で見つけた薬の治験を開始。慶応大は18年4月、進行性の難聴を引き起こす遺伝性の病気の治療薬候補をiPS細胞を使って発見し、実際に患者に投与する治験を始めました。