夏の一定期間に国・地域全体で時刻を一律で1~2時間早めるサマータイム制度は、夏の長い日照時間を有効活用するため欧米などで広く導入されています。
米国では「デイライト・セービング・タイム」と呼ばれ、3月の第2日曜日の午前1時59分59秒の次を3時00分00秒として時刻を一斉に1時間進め、夏時間が始まります。11月の第1日曜日の午前2時には元の時間に戻します。
サマータイムの考え方は18世紀に米国の政治家で科学者のベンジャミン・フランクリンが駐仏大使だった時に提唱したといわれます。パリ市民が早起きし早寝をすれば、ろうそくの節約になると考えましたが実現しませんでした。その後、第1次大戦中にドイツや英国が燃料節約のため初めて実施しました。
本格的に定着したのは1970年代に入ってからです。緯度が高く、夏と冬の日照時間の差が大きい国を中心に、世界で60を超える国で導入実績があります。ただ、緯度が低いアジアやアフリカでは年間を通じて日照時間の変化が少ないため、導入しているのは中東の国などに限られます。