サマータイムが普及する欧州では近年、「負担が大きいわりに省エネ効果が乏しい」「健康に悪影響を及ぼす」などとして、廃止を求める声が高まっています。欧州連合(EU)加盟の28カ国はすべてサマータイムを導入していますが、欧州委員会が18年7月から8月中旬にかけて、廃止の是非を問うパブリックコメント(意見公募)を実施したところ、84%が廃止を支持しました。これを受けて、欧州委はサマータイムの廃止を提案する方針を8月末に決定し、廃止が現実味を帯びてきました。サマータイムが40年以上続く欧州が廃止に動けば、日本の今後の議論に影響を与える可能性があります。
東京五輪・パラリンピックの開催は2年後に迫っており、サマータイム制度の拙速な導入は混乱を招きます。国民の生活やビジネスへの影響が大きいだけに、コストと効果を見極めた議論が求められます。