ビジュアル・ニュース解説

道の駅の今を知る

2018.8.6 掲載
一般道路をドライブするときの休憩施設、道の駅。名産・特産品の販売所や観光スポットとして集客に成功したところが増え、その経済効果が注目されています。最近は地域の産業振興だけでなく、防災や福祉、公共交通の拠点として活用する施設もあり、機能が広がっています。今回は道の駅の概要や制度導入の経緯、機能の多様化について解説します。

1.市町村などが一般道路に設置した休憩施設

1.市町村などが一般道路に設置した休憩施設
 道の駅はドライバーら一般道路の利用者がいつでも利用できる休憩施設のほか、商業施設や地域振興施設を一体として整備したものです。道の駅を設置できるのは市町村または市町村に代わり得る公的な団体(都道府県や第三セクター、市町村が推薦する公益法人)に限られます。整備方法には道路を管理する国や都道府県と協力して市町村などが整備する「一体型」と、市町村がすべてを担う「単独型」があります。施設の運営は自治体や第三セクター、民間企業を含む指定管理者などが担当します。
 主に市町村が道路沿いに設けた施設を、市町村長の申請で国土交通省が道の駅に登録します。国交省は道の駅を、道路利用者のための「休憩機能」、道路利用者や地域住民のための「情報発信機能」、活力ある地域づくりのための「地域連携機能」の3機能を併せ持つ施設と定義。登録には無料で24時間使用できる駐車場・トイレの設置や道路・地域情報の提供、文化教養・観光レクリエーションなど地域振興施設の併設など、一定水準以上のサービス提供が必要です。このほか、道路・地域観光に関する情報を提供する案内所や、地元食材を活用したレストラン、名産・特産品の販売所などの商業・サービス施設が設けられています。
 道の駅が生まれた背景には、高度経済成長以降のモータリゼーションの進展で長距離ドライブをする人が増え、高速道路のサービスエリアやパーキングエリアのような休憩施設が一般道路にも求められたことがあります。沿道の名所や特産品などの情報発信拠点として、地域の活性化や地域連携の促進も狙って、1993年に道の駅の登録制度が始まりました。
2018年8月6日掲載